22歩目:【地域経済編⑦】〇〇部長、吹くからに 秋の草木の しをるれば(〇〇に入るものは?)
むべ山風を 嵐といふらむ by文屋康秀 らしい
地方創生担当部長の仲山徳音(なかやま なるね)です。ちはやぶりつつRESASを用いて地域経済を分析するシリーズも、今日で7日目です。
「RESASを初めて使う者でも地域経済分析を進めていける」ことが分析シリーズの目標です。
さて。前2回同様、「一人当たりの指標」に着目して、RESASの使い方と亀岡経済の分析を進めています。
心理学者の言う「確証バイアス」を避けるために
(1)付加価値額
第20歩目で見たため、必要な方は適宜復習をば。
(2)所得
RESAS「地域経済循環マップ」→「地域経済循環図」と進み、
支出の「詳細を見る」をクリックすると、こんな図に。ここまでは前回同様。
まず、昨日と同様、一人当たり雇用者所得、昼夜間人口比率、地域経済循環率を京都15市で比べて見ます。読者の方々もRESASで取れるようになってきたでしょうか。
(地域経済編①から読み進めれば、必ずできます)
京都15市における一人当たり雇用者所得、昼夜間人口比率、地域経済循環率(RESASより作成)
さて。第16〜18歩目で見たように、「ベッドタウン化の指標ともなる昼夜間人口比率」が低い地域では、地域経済循環率が低くなる傾向にあります。
赤く色付けした4市(城陽市、向日市、八幡市、木津川市)と亀岡市で、こうした傾向が見て取れます。
これは、日中の滞在人口が少ない→経済規模が定住人口に比して大きくなりにくい、と説明できると思います。
他方、
・なぜヒトが外に出てしまうのか(昼夜間人口比率が低いこと)
・地域のビジネスが住民全体の所得を支えきれていないのはなぜか(地域経済循環率が低いこと)
について「従業者一人あたり雇用者所得の大小」から説明できるでしょうか?
(図の再掲)
(なお、図中の従業者とは、地域内で働く従業者なので、亀岡市外ではたらくカメジンの給料は、概念上含まれていないはずです)
・・・
私は、分析を始める前に、
①地域の中に良い仕事がない→②従業者一人あたり雇用者所得が低くなる→③高収入の仕事を求めて、外に稼ぎに行く→④昼夜間人口比率が低くなる(ベッドタウンに特化)→①・・・を繰り返す、と説明できるかと思い込んでいました。
しかし、いざデータを収集して見ると、少なくとも、表からは説明できません。
赤く色付けしたベッドタウン4市の中で、城陽市(438万円)と向日市(468万円)は、京都府全体(425万円)よりも高い一人当たり雇用者所得を示しています。
そのため、「地域の中で稼げる仕事がないから、ベッドタウンになる」と、思い込みで結論づけるのは早計であり、ストップすべきだと思います。
見方を変えれば、「亀岡市がベッドタウンだとしても、他市と同様に高い所得を実現する方策もあるよ」とデータが示していると思います。
この点、さらに深掘りした分析をしたいと思っています・・・!
次回に向けた、しゅくだい
残りの一つ、(3)「支出」の詳細をみていきたいと思います。
もし余裕があれば、
・他市の「民間消費・民間投資の流出入」がマイナス(流出)かプラス(流入)か、
・前回までに学んだ「地域経済循環率」との間で、共通するルールがないか
チェックされるといいと思います。
(なお、明日は、月曜に書いたとおり、インバウンド関係で出会った週末のできごとを共有したいなと。そのため、分析シリーズ連載は土曜日かなと思います。来週のネタは未定・・・)
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。カルタを叩いて22歩目。
亀岡市役所 地方創生担当部長
仲山徳音(なかやま なるね)
E-mail: nakayama88@city.kameoka.lg.jp
Phone: (0771) 25-5006