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あなたと一緒に取り組むための、京都府亀岡市の地方創生ブログ

25歩目:【地域経済編⑧】〇〇部長、このたびは ぬさもとりあへず 手向山 (〇〇に入るものは?)

もみぢのにしき 神のまにまに by菅家 らしい

地方創生担当部長の仲山徳音(なかやま なるね)です。ちはやぶりつつRESASを用いて地域経済を分析するシリーズ、3週目に突入しました。入門編は10作で最後にし、別の連載をスタートさせようと思います。

 

さて。「神のまにまに」のひびきがいつまでも頭に残る、菅原道真はやはり学問の神様だなぁと思いつつ、分析を進めます。

 

「RESASを初めて使う者でも地域経済分析を進めていける」ことが、地域経済編シリーズの目標です。

 

 

第15〜18歩:地域全体の指標

第20〜22歩:一人当たりの指標

 

それらを通じて、お金の流れが、(1)付加価値額 →(2)所得→(3)支出となって、ぐるぐる回っていることが分かってきたかと思います。

 

今日は、「(3)支出」について。

 

魔法陣から地域経済循環のぐるぐるへ

  

RESAS「地域経済循環マップ」→「地域経済循環図」と進み、

京都府亀岡市とえらんで、データをひらいてください。

 

3つのグラフのうち、右下にある支出の「詳細を見る」をクリックすると、こんな図が出てきます。

 

さて。表中の数字のうち、注目すべきポイントはどこにあるでしょうか?

 

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・・・

表中の「支出流出入率」を見てみると、

 

民間消費   ▲1.1%

民間投資    ▲31.1%

その他支出 ▲104.9%

 

いずれもマイナスになっています。

 

つまり、

 

亀岡市民(カメジン)がお金をつかう「消費」や、カメオカ企業が生産活動・ビジネスのためにお金を使う「投資」を見たときに、

 

その一部が亀岡市外で使われており、地域の外に流出している、

 

ということを示しています。

 

f:id:nakayamanarune:20180901072730j:plain

 

また、

「カメジンではない人間や企業が亀岡でつかうお金」も考慮して算出されているので、

 

地域全体で見て流出している(地域全体の指標)、

 

と言えます。

 

では、

・これを他の地域と比べてみると、どうなるでしょうか?

・また、①地域経済循環率、②昼夜間人口比率との関係では、どうでしょうか?

 

(まちづくりを考える際に、上記2つの指標を用いる理由が分からない新規読者の方は下記の記事をご覧ください)

 

kameoka.hatenablog.jp

 

読者はRESASのレベルが2に上がった!

 

それでは、一気に見ていきます。下表参照。

ポイントを読み取れるでしょうか?

 

京都府15市の支出流出入率、地域経済循環率及び昼夜間人口比率(RESASより作成)

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・・・

ポイントは、

 

①昼夜間人口比率が低く、ベッドタウンと言える亀岡市と赤く色付けした4市城陽市向日市八幡市木津川市は、「支出流出入率がすべてマイナス」

宇治市も同様の状況

 

②特に他の自治体に比べると、民間消費のマイナス幅が著しい

 

つまり、お金を他市でつかう「流出」が進んでしまっている、ということです。

 

なぜか?を考えると、

 

亀岡は、ベッドタウンであるため、日中人口が少ない(昼夜間人口比率が低い)

市内で「民間消費」が進みにくい。例えば、

①通勤通学先の京都市南丹市でランチする。

②週末も大きな買い物は、クルマで郊外に行ってまとめ買いしたり、高いモノは京都市で購入したりする

(民間消費の流出)

そのため、「地域経済の規模」が地域にすむ「定住人口の所得」にくらべて、大きくなりにくい(地域経済循環率が低い)

 

という関係になっていると言えます。第18歩目で述べた「ベッドタウンの論理」は、こうした「民間消費の流出」の観点から見ると、データとしてわかりやすいと思います。

 

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ではどうすればいいでしょうか?

 

地方創生のキーワードとして、「経済活動を盛んにする、地域活性化が挙げられています。

 

「流出」自体は、ヒトや企業がどこで何を買うかを選択する結果、発生しています。こうした行動をすぐに変えるのは難しいと思います。

 

そのため、お金の流出以上に「流入を呼び込む」ため、亀岡市は、

 

日中人口の獲得をめざした観光政策、とくにインバウンド観光客の取りこみ

 

②同様に、亀岡の保津川のほとりで京都府2020年にオープンする国際的なスポーツ・スタジアムを活かした観光施策の検討

 

③さらに、2020年NHK大河ドラマ麒麟がくる事業の実施

 

民間投資を呼び込むため、私学トップを目指し、近未来技術を駆使したプロジェクトを亀岡キャンパスで実現する京都学園大学との産学官連携

 

(当プロジェクトは、国の選定した14事業の1つに位置付けられています。内閣府の8月8日プレスリリース参照)

https://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/toshisaisei/kinmirai/sentei.pdf

 

また、そもそもの経済規模のパイを大きくするために、

定住人口の増加をめざした居住環境の整備、とくに亀岡駅前開発

 

など政策を総動員して、準備をすすめています!

 

次回に向けた、しゅくだい

第17歩から積み残していた例外パターンについて、次回、補足します。 

例外パターンが何か思い出せない方は、下記記事を復習していただければ。

kameoka.hatenablog.jp

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。「まにまに」が頭に残る25歩目。

 

亀岡市役所 地方創生担当部長 

仲山徳音(なかやま なるね)

E-mail: nakayama88@city.kameoka.lg.jp

Phone: (0771) 25-5006