11歩目:【観光編⑤】〇〇部長、データとともに京へ進む(〇〇に入るものは?)
ビッグデータを使わなくとも、分かることは結構ある、らしい
地方創生担当部長の仲山徳音(なかやま なるね)です。前4回から「観光データを用いた政策分析」に取りくんできました。
私が今年7月まで経営大学院(MBA)にいたときは、こうしたデータを使う分析は、議論の前提として当然のように行われ、教えられていました。
公共政策大学院(MPA)でも同様だと聞いています。
とくに、最近ではビッグデータを使って、商品開発や政策提言につなげることができるようになってきています。
MBAでもプログラミングや統計解析の授業は、非常に人気がありました。
ただし、そこまで複雑な統計処理ができなくても、やれることは結構あります。
①積み上げデータを丁寧に見る
(これまで実際にやってきた例)
・新しい指標として、平均消費額を自分で計算してみる
・イチバン重要な指標を見極める
・その指標と他の指標との関係をかんがえる
・パーセンテージ化…金額や人数といった規模だけでなく、5年間の伸率(%)や全体に占める割合(%)を把握する など
②ヒアリングやアンケート調査を通じて、さらに実態に迫る
③トライ&エラーで、軌道修正しながら進む。データやアンケートに基づく提言内容は、答えが一つではないので、複数のアイデアを小さくためす。
さて今回は、このようにして分析してきた「亀岡観光に関する課題」を、京都府全体で俯瞰すると何が見えるか、試してみたいと思います。
木を見て森を見ず。葉一つに心をとらわれ候わば、残りの葉は見えず にならない、さすがは京都
各市町村が力を集め、京都府がまとめているイケメンすぎる資料の1つとして、「京都府観光入込客調査報告書」というものがあります。最新の平成29年版を見てみましょう。
「3 平成29年観光入込客数及び観光消費額一覧」というところ。
京都府下の各市町村における「観光入込客数」及び「観光消費額」が掲載されています。
ということは、
第7歩目で見たように、
「観光消費額」を「観光入込客数」で割って、各市町村の「観光客一人当たりの平均消費額」が判明します。
それにより、2017年亀岡市における「観光客一人当たりの平均消費額2,568円」が、京都府の他の自治体にくらべて高いのか低いのか、が分かります。
一人当たり消費額ランキングとして10傑を並べてみると↓
まず26位まで存在するので、8位の亀岡市は上位3割に入ります。
さらに言えば、4位の宮津市までは数百円の差である一方、京都市が21,000円超と群を抜いて高いです。
つまり、一人あたり消費額の底上げは、亀岡市のみの観光課題ではなく、京都市を除く京都府全体の課題だと考えられます。
次回に向けた、しゅくだい
今回は、「観光客一人当たりの平均消費額」について、京都府全体を俯瞰しながら、亀岡市の位置づけを調べました。
次回はインバウンドの取りこみについて、同じように見てみたいと思います。
公表されている京都府データから何を読み取るか、一緒に考えましょう!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。日陰をさがしながら11歩目。
亀岡市役所 地方創生担当部長
仲山徳音(なかやま なるね)
E-mail: nakayama88@city.kameoka.lg.jp
Phone: (0771) 25-5006