インパクトにも色々あるらしい
(前回からの続き) さて、迎えた当日。今回のプロジェクトは、金額的に見れば20万円に満たないので、経済的には小さなインパクトにとどまります。
そこで広報面で何かできないか検討しました。朝日放送テレビ「キャスト」からの取材申込みをいただいたことにヒントを得て、
これまで何度も亀岡に来てくれているFarmstay&Countryside Tourism(通称ファムカン)社の山内代表取締役に相談したところ、
提携している映画監督である王氏に随行してもらい、今後の作品に使っていける素材として、カメラを回してもらうことに。
王氏は、アジア最大の短篇映画祭『Short Shorts Film Festival & Asia』に今年ノミネートされる若手実力派の映画監督です。
そこで撮ってもらった写真を一部シェアしてもらったので、今回の旅の様子が良く分かるかと思います。
9:30~10:15 ①酒造見学 @大石酒造
社長自らが英語で酒蔵を案内してくださり、酒造りの今と昔を教えてくれました。
その後に利き酒。
とても美味しかったと好評で、お土産にお酒を買う学生も。
10:30~11:20 ②文化体験 @稱名寺
他方、B班(13名)は、写経と木魚念仏にチャレンジ。住職が、一つ一つの作法を進めながら、写経する目的や木魚の意味などを教えていきます。
それを私が英語でサポート。
グループ分けする当初は、「写経や念仏などは宗教上の実践になるので、自己の信仰と相容れない」などの意見も学生から出るかと思いました。
実際には、13名の学生が異文化を理解するものとして取り組んでくれました。
それぞれの写経は、とても丁寧になぞられていました。
11:20~11:40 醤油作り見学@難波醤油醸造
場所を提供してくれた稱名寺さんの向かいにある「難波醤油醸造」では、事前に予約をすれば、お醤油の蔵見学をさせてくれます。
社長自らが、どれほど丹精を込めて作っているのか、一年間の工程を説明。
あまりに力が入りすぎ、観光協会の通訳が追いつけないこともしばしば。
それでも、
「社長の情熱がすごかった。酒蔵と同じくらいの熱量をここでも感じた」
「地域の経営者とお話しする機会が貴重だった」
などの感想を学生たちからもらいました。
なお、社長から「アメリカでの日常生活で、お醤油とか口にする?」との質問に対して、全員から「もちろん!調味料として普通に使っている!」との回答。
特に南米出身(米国に留学中)の学生が多かったため、お醤油の使用率が高かったようです。興味津々に説明を聞いていました。
12:00~15:00 ③エアキッチン @各家庭
5グループに分けて、それぞれ実施。
A:丹波ワインと亀岡牛のすき焼き班
(一番最後の写真は、参加者より提供)
B:たこやきパーティ班
C:ベジタリアン向けの季節野菜の御膳班
D:古民家でそば打ち班
(後ろ3枚の写真は、参加者より提供)
E:子どもと一緒にかまどご飯で巻き寿司班
※準備している時の様子。当日ご家庭を回る時間が足りなくなり、実際の食事体験中に伺うことができませんでした。残念。
お金に換算すると「満足度」や「経験の貴重さ」が分かりやすい
旅の終わりには、アンケートを実施し、「各コンテンツに支払える金額」を調査しました。
これにより、体験してくれた学生たちの満足度や、各コンテンツがどのくらいリターンを見込めるのか(持続可能なのか)が分かる貴重なデータです。
特にエアキッチンでは、回答の多くがUSD40ドル(日本円で4300円相当)でも払う、としており、前回に比べて満足度が上がっていました。
その中で、「コミュニケーションの充実」が評価されていました。
例えば、あるグループでは、日本人学生が一人もいない中、ベジタリアン向けの御膳を作るという内容であったところ、参加者の評価が極めて高い結果に。
コミュニケーション面での感想を聞いたところ、
・全く問題ない。翻訳アプリは秀逸
・自分のためにすごく準備してくれていたのが伝わった
などがポイントでした。
また、あるグループでは、余った時間で近所を散歩し、スーパーに買い物に行ったことが非常に喜ばれたそうです。
私たちからするとなんでもないことですが、こうした「日常を垣間見る」ということは、旅行先で中々できず、新鮮な経験として映るのだと思います。
いずれのグループも、15時30分までに終えて、大人気のトロッコ鉄道に乗って春の嵯峨嵐山へ。
亀岡三大観光(保津川下り、トロッコ鉄道、湯の花温泉)を味わいながら、地域の魅力を知る新しい観光コンテンツの開発としては、非常に可能性を感じるプロジェクトでした。
前回に比べて格段にスムーズになった「エアキッチン」。
今後の進化が非常に楽しみです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。60歩目。
亀岡市役所 地方創生担当部長
仲山徳音(なかやま なるね)
E-mail: nakayama88@city.kameoka.lg.jp
Phone: (0771) 25-5006
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