38歩目:【マンション or 戸建政策編⑧】〇〇部長、人気の鯖ズシ定食屋で英語を学びなおす(〇〇に入るものは?)
めちゃくちゃ美味しい鯖ズシ定食があるらしい
地方創生担当部長の仲山徳音(なかやま なるね)です。 地元の方はご存知だと思いますが、亀岡駅チカには非常に美味しい定食屋があります。
出会いをさかのぼると80日前、今の住居を紹介してくださった関不動産の若旦那といっしょに昼ごはんを食べてからです。
気づくと、ほぼ毎週のように行っております。人間は行動をパターン化しやすいというので、振りかえると
・月曜は進撃
・火曜はカレー
・土曜はその定食屋でさば寿司をお弁当にしてもらい外出
・日曜は竹乃湯で銭湯
この火曜には、亀岡で英語教師をされているアメリカ人の方々と一緒にいきました。
若手職員もいっしょだったので、グローバル人材として、よい英会話の練習になったはずだと期待します!
(自分の英会話レッスンを携帯でレコードして聞いてみると良いです。私は留学前から「え」と思うくらい、ヘタだったので、猛練習しました。)
さて、本題にもどり、今日の目次です。
(1)これまでの復習
(2)マンションの立地はどこに?ー駅チカの人気ー
(3)駅チカ人気をデータで確認
(4) 分析のまとめ
(1)門前の小僧、習わぬ経をよむ
これまで前6回で学んだことを、まずまとめます。繰り返しなので、アタマに入ってきたでしょうか?
【第31歩目】
②さらに多くのヒトが、京都市から他府県に流れている。結果として、人口は減少
【第32歩目】
③大都市からのヒトが引っ越してくる地域は、人口減少幅が明らかに緩やか
④亀岡はベットタウンであるが、「住みやすい」まちとしての魅力(定住機能)を高めることで、人が集まるまちづくりは可能
【第34歩目】
⑤京都市からヒトがいなくなっている背景には、「市内でホテル用地の取得がすすみ、マンションの供給が不足している」ことが挙げられている
⑥関西のインバウンド観光客の「宿泊件数」と「宿泊単価」は、2016年までに激増。とくに、京都は最も高いエリア。観光客全体でビジネス・シティホテルの利用が進む
【第35歩目】
⑦カンタンな経済学として、あるモノの供給と価格をみれば、それを欲しい人がもっといるかいないか(需要)も、推測できる
【第36歩目】
⑧民間データをみると、京都市でマンションの販売戸数は減り、価格がアップ。つまり、ほしい人はもっといるが、手を出せない状況にある
【第37歩目】
⑨京都市内ではホテルが優先され、マンションの供給が不足→ヒトが滋賀県などに流れる、というトレンドが続き、長期化しつつある
(2)相手の立場に立ってかんがえろ、と人は言う
以上のように分析をすすめてきました。このように、
・マンションの供給が京都市内で不足しているぞ(=値上がりしているぞ)
・そのため、近郊地域でマンションが建つところに、ヒトが移り住んでいくのだ
という流れが見えてきますが、では、マンションが建つところは、具体的にどういうところなのか、見ていきます。
結論を先に言いますと、駅チカです。
それが本当か、見ていきます。まず、必要なデータとしては、次の2つ↓
①鉄道駅を利用している方がどれくらいいるか
②各市町村でマンションがどれくらい新たに建てられているか
後学のために、それぞれ利用可能なデータをお教えします。
(1)鉄道駅を利用している方がどれくらいいるか
みなさんがお住いの都道府県庁で、「鉄道乗車人員」として公表していると思います。
たとえば、京都府の場合、下記のリンクからアクセス可能です。
リンク先に飛んで、
- 10- 1.鉄道乗車人員(エクセルファイル52KB)
をクリックしましょう。こんなファイルがダウンロードできます。
これは、平成28年度という「スナップショット」のデータです。
1年ずつ集めて、駅ごとに人数を集計していくと、「経年」のデータになります。
(2)各市町村でマンションがどれくらい新たに建てられているか
みなさんがお住いの都道府県庁で、「建築着工統計調査」に含めて公表していると思います。
たとえば、京都府の場合、下記のリンクからアクセス可能です。
リンク先に飛んで、
- 6-10.市区町村別、利用関係別着工新設住宅
をクリックして、各年のデータをダウンロードしてみます。
これも、ある年だけを取り出した「スナップショット」のデータです。
1年ずつ集めて、市ごとに着工数を集計していくと、「経年」のデータになります。
なお、マンションは「分譲住宅」に分類されます。
(3)コナンくんは、いつになったら大人になれるのか
さて、こうして得られた2つの「経年」のデータ。
以下のことを教えてくれます。
①鉄道駅の定期利用者が、どの駅で増えたか
②マンション(分譲住宅)が新たに建てられているのは、どこの市町村か
そのため、
①利用者が増えた鉄道駅は、どこのエリアに所属しているのかを確認し、
②そのエリアの分譲住宅が増えているかを確認します。
皆さんは、住宅が増えているか or 減っているか、どのように思われるでしょうか??
・・・
調べた結果を、表にまとめると以下のとおりです。
京都府15市の「分譲住宅着工戸数」と「駅利用」の関係
表が意味するところをカンタンに解説しますと、
・この10数年間で、「年間のべ30万人以上という、定期利用者数の大幅なアップ」がみられたエリアには赤チェック
・新たに住宅が建てられているエリアでは、駅利用の大幅増が見られる
・逆に、駅利用の大幅増が見られない地域では、住宅が建てられてない傾向
ということがわかります。
(4)分析のまとめ
以上を踏まえると、マンションを建てるなら、駅の利用の増加、というものとセットにして考える。
これが、京都府における、まちづくりのトレンドだ思います。
人口増加を狙っていくには、まずファミリー層の確保、社会転入の増加が必要
(あわせて、出生率の増加をはかる=子育てのしやすさ=自然増加)。
それに向け、「駅前の利便性を生かしたマンション立地」を進めていくのが1つの方策です(唯一ではありません)。
しかしながら、京都府から他府県に、どんどん人口が流出している状況。
その背景は、これまでに解説しました。
京都近郊の亀岡市として、この流れを変え、「住みやすい街を作り、ヒトが新たに集まるエリア」となることが重要です。
政府が進める「コンパクトシティ」につながる考え方だと思います。
2020年春にオープンする京都スタジアムに隣接する、亀岡駅北口の開発は、まさにこの魅力あるまちづくりに向けたものです。
住宅そのものは、市が作るものではありませんが、求められているのは、いかに住みやすい亀岡市にしていくか、注目が集まるところだと認識しております。
また、一方で、亀岡市には、豊かな自然に囲まれた「里山」があります。こうした里山でも生活の営みが、綿々と続いていきました。
過疎化の中で、こうした「里山保存」も課題になっております。
「コンパクトシティ」と「里山保存」、一筋縄でいかない課題ですが、どちらもしっかり取り組んでいきたいと思っています。
前者の基礎となる政策分析を、前8回でお送りできたかなと思います!
次回からは、新たな分析シリーズと、単発でご紹介していきたい話を、織り交ぜながら展開してきます。
みのりの秋に向けた10月にしましょう!38歩目。
亀岡市役所 地方創生担当部長
仲山徳音(なかやま なるね)
E-mail: nakayama88@city.kameoka.lg.jp
Phone: (0771) 25-5006
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