20歩目:【地域経済編⑤】〇〇部長、わびぬれば いまはたおなじ 難波なる(〇〇に入るものは?)
身を尽くしても あはむとぞおもふ by元良親王 らしい
地方創生担当部長の仲山徳音(なかやま なるね)です。昨日は週末の動きをご報告したため、小休止を入れました。
先週から、ちはやぶりつつRESASを用いた地域経済の分析シリーズをつづけています。今日で5日目です。
「RESASを初めて使う者でも地域経済分析を進めていける」ことが分析シリーズの目標です。
そのなかで、1日目から4日目から見てきた指標は、「地域全体」の指標でした。
人がいればいるほど、「お金を生み出すパワー」は地域全体で大きくなり、地域全体の「所得」も大きくなります。
が、「一人当たり」の指標でみるとどうでしょうか?
例えば、「地域全体」では他市町村よりやや小さくても、
「従業者一人当たり所得」が非常に高い場合、
優れた産業がおカネを生み出し、分配している豊かな地域(極端には ”少数精鋭集団”)
と言えます。
そのため、”地域経済の最終的な評価指標”として、「一人当たり所得」に着目します。
(参考:株式会社価値総合研究所「地域経済循環分析について」(2018、下記資料))
これまで使ってきた地域経済循環図の生産・分配・支出の各表には、「詳細を見る」機能があります。
クリックすると、こうした「一人当たりの指標」を見ることができます。
早速見ていきましょう! !
(1)付加価値額
まず生産(付加価値額)の「詳細を見る」をクリックすると、
グラフと表より、亀岡市の付加価値額は、
第1次産業:ぜんぶで28億円、従業者一人あたり110万円
第2次産業:ぜんぶで567億円、従業者一人あたり659万円
第3次産業:ぜんぶで1,548億円、従業者一人あたり674万円
です。どのようなポイントに気付くでしょうか?
・・・
農業などの第1次産業と、モノづくりの第2次産業・飲食業をはじめとする3次産業を比べると、どのような数字が示されているでしょうか?
「総額」でも「一人当たり金額」でも1次と2・3次の間で大きく差がついていることが分かります。
こうした傾向は、亀岡市だけの特徴ではありません。
各自治体で同様に見られ、日本全体の課題になっています。
(RESAS上で、各自治体でデータを取ることで一目でみてとれます。)
非常に重要な問題だと思います。
ただ、この「RESASで地域経済分析ー入門編」では、まずRESAS経済パーツの扱い方と全体像を把握すべきと考えますので、各産業の論点は、後日議論します。
To be, or not to be, that is the question
(2)所得
つづいて、分配(所得)の「詳細を見る」をクリックすると、
グラフと右の表より、亀岡市の所得は、
①雇用者所得:亀岡ではたらいた1,220億円+外で稼いだ590億円=ぜんぶで1,810億円
・従業者一人あたり398万円
②その他の所得:
亀岡ではたらいた924億円+外で稼いだ305億円=ぜんぶで1,209億円
・人口一人あたり134万円
働き手にとって重要なのは、この「従業者一人あたり398万円」が高いのか、低いのか。それが問題です(”地域経済の最終的な評価指標”)。
次回に向けた、しゅくだい
「一人あたりの地域経済の力」を評価していきます!
そのために、以前トライした観光分析シリーズの手法と同様、亀岡市以外の各市にも目を向けます。
予習として、ぜひ京都を俯瞰してみてください。
RESASを使えば、5分で読み取れるので、この機に分析能力をパワーアップできると思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。カルタ大会に向け、欠かさず20歩目。
亀岡市役所 地方創生担当部長
仲山徳音(なかやま なるね)
E-mail: nakayama88@city.kameoka.lg.jp
Phone: (0771) 25-5006