21歩目:【地域経済編⑥】〇〇部長、今こむと いひしばかりに 長月の(〇〇に入るものは?)
有明の月を まちいでつるかな by素性法師 らしい
地方創生担当部長の仲山徳音(なかやま なるね)です。ちはやぶりつつRESASを用いて地域経済を分析するシリーズも、今日で6日目です。
「RESASを初めて使う者でも地域経済分析を進めていける」ことが分析シリーズの目標です。
細かくブログカテゴリーをご覧いただくと、「入門編」という位置づけにしております。
というのも、
まずは「地域のお金の流れ」を理解した上で、
産業構造や生産性の議論に進むのが分かりやすい、と考えるためです。
私自身も勉強中ですので、後者についてまとまった後、応用編シリーズとして共有したいと思います。
さて。前回から「一人当たりの指標」に着目して、RESASの使い方と亀岡経済の分析を進めています。
おひとりさま398万円になります、の意味
(1)付加価値額
前回見たため、必要な方は適宜復習をば。
(2)所得
RESAS「地域経済循環マップ」→「地域経済循環図」と進み、
分配(所得)の「詳細を見る」をクリックすると、こんな図に。
前回見たとおり、グラフと右の表より、亀岡市は、
①従業者一人あたり雇用者所得398万円
②人口一人あたりその他の所得134万円
となります。
働き手にとって重要なのは、
この「従業者一人あたり398万円」が高いのか、低いのかです。
(前回紹介した”地域経済の最終的な評価指標”)
以前トライした観光分析シリーズの手法と同様、亀岡市以外の各市にも目を向けて、京都を俯瞰してみましょう。
すなわち下記のごとく。他市と比べて、亀岡市の398万円はどうでしょうか?
京都府15市における地域経済指標等(RESASより作成)
・・・
雇用者所得のデータは2013年時点ですが、亀岡市は京都府の15市中、12位に甘んじています。
表上で1位の長岡京市と比べると、ほぼ100万円の差がついています。
すなわち、一人当たりで見ると、
亀岡市は稼ぐポテンシャルを生かしきれていない(もっと稼げるはず)、
と言えます。
新聞やネットニュースで、「生産性の向上」という言葉を目にしたことがあるでしょうか?
まさに、
・一人一人が地域の中でお金を生み出せるようにするぞ、
・そのために設備や人材への投資、働き方を工夫していくぞ、
というものです。現在の地方創生のキーワードとして掲げられています。
もちろん、個々にがんばっている企業や働き手も数多くいます。
また、お金だけが生活の豊かさをはかるモノサシではない、とも思います。
ただ、稼げない地域は、
・長期的に見れば人が減り、
・企業が去り、
その結果、生活インフラが維持できなくなります。
地域全体を見たときに、亀岡市の地方創生は「生産性の向上」がキーワードになることは疑いありません。
亀岡市に来てまだ1ヶ月あまりですが、今後何をすべきか、データをふまえて議論をし、ブレないように仕事をしたいと思っています。
次回に向けた、しゅくだい
生産性の向上については、産業構造やこれまでの政策を踏まえながら考える必要があり、将来の応用編に入れたいと思います。
次回、一人当たり雇用者所得に関する議論として、
「地域に良い仕事・稼げる仕事がないからベッドタウン化してしまう」と言えるのか、
分析したいと思います。
表を眺めながら、考えてみてください!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。カルタを取りながら21歩目。
亀岡市役所 地方創生担当部長
仲山徳音(なかやま なるね)
E-mail: nakayama88@city.kameoka.lg.jp
Phone: (0771) 25-5006